文章を要約しよう
「読み取り」タスクの体験
同じ文章を生成するタスクでも「書き出し(writing)」と「読み取り(reading)」には大きな違いがあります。とても大雑把に括ってみました。
書き出し:
- 利用者の指示に基づいて、0から10の文章を生成する
- 利用者が持つ抽象的な考えを生成AIに書き下してもらう
- 学習済みモデルに使用されたデータセットやチューニングに強く依存する
読み取り:
- 利用者の指示に基づいて、10から1の文章を生成する
- 利用者が持つ具体的・現実的な情報を生成AIに読み取ってもらう
- 学習済みモデルに使用されたデータセットやチューニングに少し依存する
| 日時 | このページで使用した生成AI |
|---|---|
| 2024/1/20 | ChatGPT |
📦 長い文章を簡潔にまとめる
長い文章を簡潔にまとめてみましょう。 WikipediaのEducational inflationを参照します。
以下の文章を要約して、簡潔に教えてください
```
Educational inflation is the increasing educational requirements for occupations that do not require them. Credential inflation is the increasing overqualification for occupations demanded by employers.[1][2]
There are some occupations that used to require a primary school diploma, such as construction worker, shoemaker, and cleaner, now require a high school diploma. Some that required a high school diploma, such as construction supervisors, loans officers, insurance clerks, and executive assistants,[3] are increasingly requiring a bachelor's degree. Some jobs that formerly required candidates to have a bachelor's degree, such as becoming a director in the federal government,[4] tutoring students, or being a history tour guide in a historic site,[5] now require a master's degree. Some jobs that used to require a master's degree, such as junior scientific researcher positions and sessional lecturer jobs, now require a PhD. Also, some jobs that formerly required only a PhD, such as university professor positions, are increasingly requiring one or more postdoctoral fellowship appointments. Often increased requirements are simply a way to reduce the number of applicants to a position. The increasingly global nature of competitions for high-level positions may also be another cause of credential creep.[6]
教育のインフレーションと資格のインフレーションは、必要のない職業に対する教育要件や、雇用主からの要求に対する過資格化の増加を指します。例えば、建設労働者、靴職人、清掃員など、かつては小学校の卒業証明書が必要だった職業が、今では高校の卒業証明書が必要になっています。同様に、建設監督者、融資担当者、保険事務員、経営アシスタントなど、かつては高校卒業証明書が必要だった職業が、今では学士号がますます必要とされています。さらに、かつて学士号が必要だった職業、例えば連邦政府のディレクター、生徒の指導、歴史的な場所でのツアーガイドなど、今では修士号が必要です。また、かつて修士号が必要だったジュニア科学研究職や非常勤講師の仕事も、今では博士号が必要です。さらに、かつて博士号のみが必要だった仕事、例えば大学教授の職も、ますます1つまたは複数の博士研究員の任命を必要とするようになっています。これらの増加要件は、しばしば職に応募者の数を減らすための方法として使われます。高レベルの職に対する競争がますます国際的な性格を持つことも、資格の要求増加の原因の1つと考えられています。
プロンプトを重ねて、もっと要約しましょう。
日本語で200文字程度に、3点に箇条書きで要約して
教育のインフレーションとは、必要のない職業でも高い学歴が求められる現象であり、資格のインフレーションは、雇用主からの要求に対して過剰な資格が必要とされる状況を指す。
以前は小学校卒業証明書で足りた仕事も、高校卒業証明書や学士号が必要となり、さらに修士号や博士号が求められる職業も増加している。
これらの増加要件は、求職者の数を減らすためだけでなく、高レベル職の国際競争も影響している可能性がある。
とてもスッキリしました。ただし検証も必要です。
- もとの文章を歪曲していないか
- 重要なポイントをきちんと要約できているか
📑 PDFや文書からの情報抽出
- PDFを読み込む
PDFを読み込む生成AIもたくさん公開されています。 無料で使えるものを2つ紹介します。
Copilot(Microsoft Edgeのみ)
PDFに限らず、現在開いているWebページに対するプロンプトを受け付ける優れものです。 Edge使用中に右上のアイコンをクリックするとサイドバーが展開されます。
2040 年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申) 本文
この PDF から重要な分析情報を生成する
この PDF は、2040 年に向けた高等教育のグランドデザインに関する中央教育審議会の答申です。以下は、この PDF から抽出した重要な分析情報です。
高等教育の目指すべき姿:学修者本位の教育への転換を図り、社会の変化に対応できる多様で柔軟な人材を育成する。
教育研究体制の改革:多様な学生・教員・教育プログラムを受け入れるために、ガバナンスや資源の共有・連携を強化する。
教育の質の保証と情報公表:教学マネジメントの確立とPDCAサイクルの機能化を通じて、教育活動の見直しや改善を促進する。
高等教育機関の規模や地域配置:18 歳人口の減少に対応し、あらゆる世代が学ぶ「知の基盤」を確保するために、高等教育機関の連携・統合や役割分担を推進する。
各高等教育機関の役割等:多様な機関による多様な教育の提供を実現するために、各学校種や大学院における特有の検討課題に対応する。
高等教育を支える投資:高等教育の質と量の向上に必要な費用を見積もり、公的な支援と民間からの投資と社会からの寄附等の支援、個人負担のバランスを考える。
Claude
ChatGPTライクな生成AIです。 詳細は割愛しますがChatGPT・GPTとはかなり異なる仕様です。
PDFファイルを添付する必要があります。
Edgeと同じグランドデザイン答申全文をやってもらうと怒られた(コンテクスト長が長すぎた)ので、ポンチ絵を入力として使用します。
2040 年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申) 概要
この PDF から重要な分析情報を生成する
このPDFから下記のキーポイントを抽出しました。
2040年の高等教育のグランドデザインの概要を示しています。
高等教育機関の今後の在り方として、学修者本位の教育への転換、教育の質保証、情報公表の強化、多様な人材の登用、柔軟な教育プログラムの提供、大学の特徴の明確化、ガバナンスの改革等が提言されています。
18歳人口の減少を踏まえ、高等教育機関の適正規模や地域配置の再構築が必要としています。
教育コストの可視化と公的支援の充実に加え、民間からの投資拡大が重要としています。
学修成果の可視化と情報公表を強化し、教育の質保証システムを確立することが示されています。
国立大学では一法人複数大学制の導入や学外理事の登用などガバナンス改革が提言されています。
地域の高等教育機関間の連携プラットフォームの構築が提案されています。
以上のように、高等教育改革の方向性と具体的施策が示された重要な答申と言えます。
よく学校関係者が求めている「質問に対して、組織文書を参照して回答する生成AI」はこのようなナレッジ参照型AIが該当します。企業がセキュアな環境を提供するサービスパターンも見られますが、この文章を埋め込み、検索(推薦)する仕組みのベストプラクティスは模索中です。よって導入に当たっては発展途上の技術であることを理解し、正しいKPIを設定することが大切です。
📊 複数文書の比較・整理
生成AIは複数の文書やテキストを比較・整理するタスクにも活用できます。 大学業務では、複数の規程や方針を比較する場面が多くあります。
以下の2つの大学の入試制度を比較して、表形式で整理してください。
### A大学 ###
- 一般選抜(前期・後期)
- 学校推薦型選抜(指定校・公募)
- 総合型選抜
- 社会人特別選抜
- 帰国生徒選抜
### B大学 ###
- 一般選抜(A方式・B方式)
- 学校推薦型選抜(指定校のみ)
- 総合型選抜(AO入試)
- 編入学試験
- 外国人留学生選抜
2つの大学の入試制度を比較表にまとめました。
| 選抜区分 | A大学 | B大学 |
|---|---|---|
| 一般選抜 | 前期・後期の2回実施 | A方式・B方式の2方式 |
| 学校推薦型選抜 | 指定校・公募の2種類 | 指定校のみ |
| 総合型選抜 | あり | あり(AO入試) |
| 社会人向け | 社会人特別選抜あり | なし |
| 帰国生徒向け | 帰国生徒選抜あり | なし |
| 編入学 | なし | 編入学試験あり |
| 留学生向け | なし | 外国人留学生選抜あり |
特徴の違い:
- A大学は推薦型選抜の門戸が広く(公募あり)、社会人や帰国生徒にも対応
- B大学は編入学や留学生の受け入れ体制が整備されている
- 総合型選抜はいずれの大学にもあるが、名称が異なる
各大学の強みと特徴がはっきり分かる整理になりました。
🏢 大学業務での活用例
読み取り・要約のスキルは大学業務のさまざまな場面で活用できます。
- 規程の読解
以下の学則の条文について、学生が理解しやすい平易な日本語に言い換えてください。
箇条書きで要点をまとめてください。
### 条文 ###
第XX条 学生が正当な理由なく授業の3分の1を超えて欠席した科目については、
当該科目の定期試験を受験する資格を失うものとする。ただし、教育上有益と認め
られる場合は、担当教員の判断により別途課題を課すことで、これに代えることが
できるものとする。
この条文のポイントを分かりやすくまとめると:
- 出席が3分の2以上必要:授業の3分の1を超えて休むと、その科目の期末テストを受けられなくなります
- 正当な理由がない場合が対象です(病気や忌引きなど正当な理由がある欠席は別扱いになる可能性があります)
- 救済措置がある場合も:先生の判断で、テストの代わりにレポートなどの課題で対応してもらえることもあります
つまり「3回に1回以上休むとテストを受けられなくなるが、先生次第で代わりの課題が出されることもある」ということです。
- 報告書の要約
長い報告書を短時間で把握する必要がある場面にも有効です。
以下の報告書を、「背景」「現状の課題」「提案」「今後のスケジュール」の4つの観点から、
それぞれ2〜3文で要約してください。
### 報告書 ###
(報告書の本文をここに貼り付ける)
このように、要約の観点を指定することで、必要な情報だけを効率的に抽出できます。
📝 「書き出し」と併用する
併用とはどういうことでしょうか。 ここでは抽象と具象の間を行き来することを考えてみます。
- 書き出し:利用者が持つ抽象的な考えを生成AIに書き下してもらう
- 読み取り:利用者が持つ具体的・現実的な情報を生成AIに読み取ってもらう
これをひとつのプロンプトで実現してみることが併用です。気づけば併用していたことになっているはずです。 ここでは授業シラバス作成を例に説明してみます。
「シラバスの要素」は龍谷大学 シラバス作成の手引きを参考にしています。
あなたは大学教員である私とともに良質な講義をデザインする「共同デザイナー」です。
以下の条件を参考に、大学1年生向け教養科目[### 講義名 ###]の講義シラバスを作成してください。
### シラバスの要素###
* サブタイトル
* 講義概要
* 到達目標(...が理解できる、...を身に付けている、という形式で3点)
* 講義方法
- 座学を中心とし、3回に一度はアクティブラーニングを実施予定
* 授業時間外における予・復習等の指示
* 成績評価の方法
- 平常点、小テスト、レポート、定期試験、その他
- 定期試験に重心を置いてください
* 参考文献
- 「本講義に適した文献を使用」と記載してください
* オフィスアワーは水曜日13:30-14:30とする
* 講義計画
- 講義タイトルと講義の内容、講義のねらいを明確にすること
- 15回の講義を予定
- 何をどのように実施するのかを、各回で明確にすること
### 講義名 ###
心理学入門
### 出力形式 ###
表形式で2つのデータを出力しなさい
## シラバス情報(サブタイトルからオフィスアワーまで)のテーブル
## 講義計画(第1回から第15回まで)のテーブル
let's think step by step
以下は、心理学入門の講義シラバスと講義計画のテーブルです。まずはシラバス情報のテーブルを作成しましょう。
シラバス情報
| サブタイトル | 心理学入門 |
|---|---|
| 講義概要 | この講義は心理学の基本的な概念と原理を学ぶものであり、心理学の基礎知識を提供します。心の仕組み、行動、感情などに関する理解を深め、応用能力を高めます。 |
| 到達目標 | 1. 心理学の主要な概念と用語を理解できる。 2. 心理学の研究方法とアプローチを理解し、批判的に考える能力を身に付けている。 3. 心理学の知識を実生活に適用し、問題解決能力を高めている。 |
| 講義方法 | 座学を中心に採用し、3回に一度はアクティブラーニングを実施予定。 |
| 授業時間外の指示 | 毎週の授業内容の復習を推奨し、追加の読書と問題集の解答を行うことを勧めます。 |
| 成績評価の方法 | 平常点、小テスト、レポート、定期試験、その他の評価を行いますが、定期試験に重点を置きます。 |
| 参考文献 | 本講義に適した文献を使用。詳細はシラバス内で指示します。 |
| オフィスアワー | 水曜日13:30-14:30にオフィスアワーを設けます。 |
次に、講義計画のテーブルを作成しましょう。
講義計画
| 回数 | 講義タイトル | 講義の内容 | 講義のねらい |
|---|---|---|---|
| 1 | 心理学の基本概念 | - 心理学の定義と歴史 - 心の仕組み - 研究方法の紹介 | 心理学の基本概念を理解する |
| 2 | 知覚と感覚 | - 知覚のプロセス - 感覚器官とその機能 - 視覚と聴覚 | 知覚と感覚に関する理解を深める |
| 3 | 学習と記憶 | - 学習の種類とプロセス - 記憶の仕組みと障害 | 学習と記憶の原理を理解する |
| 4 | 発達心理学 | - 発達段階と発達課題 - 発達障害と対処法 | 人間の発達過程を理解し、発達に関する知識を得る |
| 5 | 社会心理学 | - 社会的影響と行動 - グループダイナミクス | 社会心理学の基本的な概念を学ぶ |
| 6 | 個体差と人格心理学 | - 個体差の要因と性格理論 - 人格の評価方法 | 個人差と人格に関する理解を深める |
| 7 | 心理療法と臨床心理学 | - 心理療法のアプローチ - 心の健康と障害 | 心理療法と臨床心理学の基本を理解する |
| 8 | ストレスと心の健康 | - ストレスの原因と影響 - ストレス管理の方法 | ストレスと心の健康に関する知識を得る |
| 9 | 心理学の応用分野 | - 応用心理学の領域紹介 - 職業心理学と教育心理学 | 心理学の実務への応用について理解を深める |
| 10 | 精神障害と治療 | - 精神障害の種類と症状 - 精神障害の治療法 | 精神障害と治療に関する知識を習得する |
| 11 | ユースケースと実例の検討 | - 実際の心理学のケーススタディ - 応用演習 | 理論を実務に応用するスキルを養う |
| 12 | 倫理と心理学の倫理規定 | - 心理学の倫理規定と倫理的問題の解決 | 倫理的な視点から心理学の実践を理解する |
| 13 | 現代の心理学のトピックス | - 現代の研究トピックス紹介 - 専門家のゲストスピーカー | 最新の心理学トピックについて学ぶ |
| 14 | 心理学のキャリアパスと展望 | - 心理学のキャリアオプション - 研究とキャリアの選択 | 心理学のキャリアパスについて考える |
| 15 | 最終試験と振り返り | - 全学期の復習 - 成果の振り返りとフィードバック | 学習成果を振り返り、講義の総括を行う |
このような講義シラバスと講義計画を基に、心理学入門の講義をデザインすることができます。各回の講義内容とねらいを明確にし、学生が心理学の基本的な知識とスキルを習得できるように工夫されています。
このプロンプトと回答のポイントを確認しましょう。
「表形式でシラバスを作成する」という指示は抽象的な書き出しタスクです。
一方でこのシラバスは「シラバスの要素」という具体的な情報に従って作成されています。
指示が抽象的であるほど生成物の品質は落ちます。生成AIが利用者の意図や目的に合った生成物を出力する可能性が下がるからです。利用する時は「欲しい文章の書き出し」に加えて「参考にしたい情報の読み取り」も心がけましょう。
Last updated 12 2月 2026, 21:48 +0900 .