生成AIの扱い方
生成AIと付き合う姿勢を理解する
生成AIを上手に活用できれば多くの恩恵を受けることができます。しかし現在の生成AIには従来の技術に見られなかった限界や課題があります。
まずは「上手な扱い方」よりも「適切な扱い方」を先に理解しましょう。ここでは最低限、生成AIを適切に扱うための方法を紹介します。
生成AIを全く使ったことがない!
という方は、ChatGPTのアカウントを作った後、以下のページも併せてご活用ください。
日時 | このページで使用した生成AI |
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2024/1/20 | ChatGPT(GPT-3.5) |
👍 基本的な姿勢
- 生成物を提案として扱う
生成AIの出力には誤りや嘘が含まれている可能性があります。例えば、生成AIが以下の文章を出力しました。
火星人に出会うまでの5ステップです。
ポータルの発見: 物語の冒頭で、主人公たちは地球と火星をつなぐ不思議なポータルを偶然にしてしまいます。このポータルは科学者やエンジニアたちによって詳細に調査され、安全に利用できるようになるまでの展開が物語の始まりです。
神秘的なおまじないの力: ポータルを通じて火星に到達した主人公たちは、火星の文化や生態系を理解するために、火星人の神秘的なおまじないの力を学びます。これらのおまじないは火星人とのコミュニケーションや共感を可能にし、物語の中で重要な役割を果たします。
火星の秘宝の探索: 火星に到達した主人公たちは、火星の奥深くに隠された伝説の秘宝を探し始めます。この秘宝は火星人の文化や知識を集めるために必要な鍵となり、物語の中で様々な冒険と謎解きが繰り広げられます。
火星人との交流: 主人公たちは秘宝を手に入れたことで火星人との交流の機会を得ます。火星人は主人公たちに火星の秘密を教え、地球と火星の協力関係を築くために共同作業を開始します。この交流は異なる文化や価値観を探求する面白い要素を提供します。
ポータルの安全な利用: 物語のクライマックスでは、ポータルの利用が安全になり、地球と火星の間で自由な行き来が可能になります。主人公たちは火星人との友情や協力を持ち帰り、地球と火星の未来を共に築くための新たな時代を切り開きます。
この回答を仕事や教育の現場で「真実」「正しい内容」として扱うことは難しいでしょう。
また利用者が有用な使い方を知らないだけで、生成AIが悪いわけではないにもかかわらず、誤りや嘘を含む生成物を出すAIへの過小評価(思っていたよりAIはダメね的な認知バイアス)につながります。
あくまで生成物は生成AIから利用者への提案であり、利用者が提案を受け入れる・却下する判断を下す必要があります。
- 試行錯誤する
生成AIは一度のプロンプトでうまくいく(=利用者の意図・目的に沿う生成物が得られる)ことは滅多にありません。
生成AIを利用した経験がある方は納得されるのではないでしょうか。大きく分けて3つの理由があります。
利用者の意図・目的が最初からはっきりしていないから
最初のプロンプトを投げる時点ではモヤモヤしていることが、生成AIとのやり取りを通じてはっきりすることがあります。指示が悪いから
意図・目的がはっきりしていても、それを指示に含めなかったり、指示の言葉が良くないことが挙げられます。生成AIの挙動が確率論的かつ暫定的だから
生成AIの出力には再現性がありません。指示によっては、同じ指示を10回出しても、10回とも異なる内容が返ってくる可能性があります。
また現在公開されている生成AIサービスの中で使用されている言語モデルが更新を続けているため、半年前と今時点とで、挙動が異なることがあります。
現在各所で紹介されている「有用なプロンプト」のほとんどは「ある日時や一定条件下で役に立つプロンプト」であり、確実に・普遍的に役立つものは少ないです。
生成AIへの指示や生成物を継続的に確認・検証するスタンスが重要です。
Last updated 02 2月 2024, 18:59 +0900 .