AIスタートパック
生成AI 最初の一歩
このページはうえきばちポータルで公開中の AIスタートパック(大学職員向け) をベースにしています。最新版は原本をご参照ください。
P4Us(Prompt Guide for University staff) の理念をベースに、
- 何から始めればいいか分からない
- ツールはあるけど、現場での使い方イメージがない
という人でも 「まず1歩だけ踏み出せる」 ようにデザインしたスタートパックです。
| 対象 | ゴール |
|---|---|
| 大学・短大・高専などの職員(事務・IR・キャリア・教務・学生支援 など) | 1か月以内に 「仕事のうち1つは、AIに相談してから着手する」 状態になること |
1. P4Usのエッセンス
P4Us は、大学職員が生成AIとプロンプトを学ぶための実践ガイドです。
- 固すぎず、柔らかすぎない
- 難しすぎず、易しすぎない
を大事にしています。
- P4Usで「できること/できないこと」
P4Usで"できる"こと
既存の生成AIサービスを実際に使ってみるきっかけづくり
生成AI利用の最低限の姿勢・リテラシーを身につける
「それなりに良いプロンプト」の考え方を理解する
P4Usで"できない"こと
AI技術の基礎を体系的に習得する
研究レベルの最新動向を追いかけ続ける
上級者向けプロンプトテクを網羅的に学ぶ
このスタートパックも同じスタンスです。「専門家になる」前に、「日々の仕事でそれなりに使えるようになる」 ことをゴールにしています。
- プロンプト=AIへの「依頼文」
P4Usでは、プロンプト=呪文ではなく依頼文として扱います。
プロンプトに大事なのはテクニックよりも、次の3点です。
- 何をしてほしいか(要約して・比較して・下書きを作って 等)
- どんな前提・制約があるか(対象・立場・トーン 等)
- どんな形で出してほしいか(箇条書き・表・ステップごと 等)
P4Us本体では具体的なプロンプト例を多数載せていますが、このスタートパックではまず次の3パターンだけを覚えてもらえればOKです。
3つの基本パターン
| パターン | 使いどころの例 |
|---|---|
| 整理してもらう | 会議メモ → 要点+アクション、長いメール → 3行要約 |
| 比較してもらう | 2案のメリット・デメリット、複数大学の方針の違い |
| 下書きを作ってもらう | 学生・教員向けお知らせ文、研修案内メール |
困ったら、まずは 整理/比較/下書き のどれかに当てはめる。これがP4Us流の「最初の一歩」です。
2. 生成AIツールの選び方:まずは1つ決める
P4Usでは、星の数ほどあるツールを全部比較するのではなく、「まず1つ選んで、そこで手を動かしてみる」 ことを推奨しています。
代表的なツールと、大学職員視点でのざっくりした位置づけは次の通りです。
| ツール | 特徴 |
|---|---|
| ChatGPT | 無料版でもかなり高性能。Web検索・ファイル要約・画像生成など、機能が1つのUIに集約。「まずはこれ1本」な入口ツールとして優秀 |
| Copilot | Outlook/Word/Excel/Teamsと連携しやすい。すでにMicrosoft 365を使っている大学向き。組織内データと権限を前提にした「仕事用AIレイヤー」 |
| Gemini | 検索と生成AIがほぼ一体化。Gmail/スプレッドシート/ドライブとの相性が良い。Google Workspaceを使う大学にフィット |
| 学内独自の生成AIサービス | 大学が契約した「学内専用ChatGPT」等。組織内文書にアクセスできるケースも。リスク管理・ログ管理を意識しつつ、P4Usのプロンプトをそのまま応用可能 |
ツールの良し悪しを細かく比べるより、「自分の大学で正式に使える1つ」を決め、そこでP4Usのプロンプトを試す。 これが一番の近道です。
3. P4Us流の付き合い方のルール
個人名やセンシティブ情報は、最初は伏せた形で投げる
回答は 「そのままコピペ」ではなく「叩き台」 として扱う
「AIに任せる」のではなく、「AIと一緒に考える」 前提にする
4. 今日〜今週できる「小さな一歩」リスト
P4Usのスタンスを踏まえた具体的な一歩を挙げます。全部やる必要はありません。ピンときたものを1つだけ選んでください。
- STEP 1:イベント案内やお知らせ文の下書きを作ってもらう
〇月〇日開催の学内イベントの案内文を作ってください。
対象は学部生、参加費無料、事前申込制です。
ポイント:AIの文をそのまま出さず、自分の言葉に直すところまでを1セットに。
- STEP 2:会議メモを要約させてみる
この議事録を、3行の要約と、担当者付きの次のアクション3つに整理してください。
ポイント:「誰が・いつまでに・何をするか」まで出させる。
- STEP 3:「これが減ると楽」な仕事を相談する
この仕事を減らしたい/楽にしたいです。
AIで部分的に置き換えられそうなところを一緒に考えてください。
ポイント:いきなりフル自動化を狙わず、一部だけAIに任せるパーツを探す。
- STEP 4:P4Usからテンプレを1つ選んで使い回す
P4Usのプロンプト集から、「整理パターン」のテンプレを1つ選び、毎週の会議メモに必ず使う。
ポイント:毎回ゼロから書かず、「お気に入りの型」を1つ持つ。
5. 1か月後に目指したい状態
P4Usの理念に沿って、このスタートパックでは次の状態を「合格ライン」とします。
1か月後にこうなっていればOK
週に1回以上、AI(ChatGPT/Copilot 等)に仕事の相談をしている
「これは自分でやる」「これはAIに振る」の判断がなんとなくできてきた
AIの出力を 自分の文脈に合わせて手を入れる癖 がついてきた
この状態を支えるのは、次の4つの体験です。
| 体験 | 内容 |
|---|---|
| 達成体験 | AIと一緒に作ったメールや資料が、実際に使えた |
| 代理体験 | 他の職員の活用事例を見聞きした |
| 社会的説得 | 上長・同僚・学生から「助かった」といったフィードバックをもらった |
| 情動状態 | AIを使うことへの不安が少し減り、「試してみても大丈夫」と思えた |
このどれか1つでも感じられれば、十分前進です。
6. もっと使いこなしたい人へ:4つの付き合い方
このセクションは、note記事「あとから効いてくるAIとの付き合い方」を参考にしています。 STEP 1〜4を試して、もう少し深くAIを使いこなしたいと感じた人向けの発展的な内容です。
AIは「速く正解を出す道具」というより、自分の考え方をいったん外に取り出して整え直すための相棒として使えます。 4つの実践的な使い方の詳細は あとから効いてくるAIとの付き合い方 をご覧ください。ここではそのエッセンスを紹介します。
- 6-1. 企画書を書かせる
頭の中のアイデアを、いったん企画書の形にしてもらう。AIの案を**「赤ペンを入れるための土台」**として扱う。
今考えている「部署内ミニ勉強会」のアイデアを、前提・目的・対象・進め方・
想定されるリスクまで含めた簡単な企画メモにしてください。あとから赤入れす
る前提なので、多少荒くてもよいので、一度すべて言語化してほしいです。
- 6-2. いろいろな立場を演じさせる
文書や企画を、別の立場(利用者・現場担当・管理職など)の視点から見てもらう。自分が想像できなかった視点を借りるイメージ。
次の文書を読む現場職員になりきってください。読んだときに不安に感じること、
不満に思いそうなこと、分かりにくいところをできるだけ率直な言葉で書き出してください。
- 6-3. 情報を行動に圧縮させる
会議メモ、チャットログ、記事などを、次の行動に必要なところまで削ってもらう。
次に貼る会議メモを読んでください。内容を細かく要約するのではなく、私が明日までに
やるべきことを二つだけ、理由と一緒に教えてください。
- 6-4. 無難な案をあえて出させる
まずは一般的なパターンの案を出してもらい、どこが物足りないのかを探す。
次のテーマについて、企画案を三つ出してください。こちらで、物足りない点や
自分たちらしくないところを洗い出すために使いたいです。
大事なこと: AIにどれだけ速く正解を出してもらうかではなく、AIをどんな役割の相棒として設計するか。 その設計の違いが、その人のAI活用センスとしてにじみ出てきます。
7. よくあるつまずきと、P4Us流の再スタート
つまずいても大丈夫。P4Us流の再スタートは「完璧にやる」ではなく 「小さく1回試す」 が合言葉です。
- 「時間がなくて、まだ触れていない」
再スタート: 今週の会議メモ1つだけ、AIに要約させてみる。
ねらい:メモ整理の時間を数分削減しつつ、「AIに投げる感覚」を1回体験する。
- 「プロンプトが難しく感じる」
再スタート: P4Usのプロンプト集から1つだけテンプレートを選び、そのまま使う。
ねらい:「うまく書く」のではなく、「同じテンプレを3回使ってみる」ことを目標に。
- 「セキュリティ・ガバナンスが不安」
再スタート: まずは架空データや公開情報だけで試す。そのうえで、自大学のAI活用ガイドラインを確認。
ねらい:リスクゼロで感覚をつかんでから、ルールを確認する順序で進む。
- 「周りに使っている人がほとんどいない」
再スタート: SEPALや関連コミュニティで、小さな活用例を1つだけ共有してみる。
ねらい:誰か1人でも反応してくれれば、それが次の代理体験・対話の種になる。
8. おわりに:完璧さより「試してみた回数」
SEPAL AIスタートパックは、
- 完璧なAIリテラシー教材 ではなく、
- 「大学職員として、AIとの最初の一歩を踏み出すための踏み台」
として設計されています。
うまくいかなかったプロンプトや戸惑いも、そのままSEPAL/うえきばちポータルに流してもらえれば、それ自体が次の誰かのP4Us=「大学職員のためのプロンプトガイド」につながるナレッジになります。
まずは、このページから1つだけアクションを選んで、今日か明日、試してみてください。
Last updated 15 2月 2026, 08:13 +0900 .